殺戮都市~バベル~
「東軍か……それはまた随分大変な所に行きたいものだな」


「え?そ、そんなに大変な所なんですか?」


ランキング1位の恵梨香さんが大変と言うくらいだ、俺なんかだと想像を絶するくらい厳しいんだろうな。


「私がまだ北軍で戦っていた時、三度侵攻した事があってな。その時に出会ったやつらに苦戦を強いられたんだ。あいつらの名前と顔は忘れない」


な、なんかとんでもないやつがいるんだな。


北軍で戦っていた頃って事は、今よりも全然弱かったかもしれないけど……。


それでも恵梨香さんが苦戦したやつらだ、今はもっと強くなっていると考えて良いだろう。


「恵梨香さんが苦戦したって、ヤバいですね……ちなみに、どんなやつらなんですか?」


興味本意で尋ねたけど……恵梨香さんの表情は、いつもの自信に満ちたものではなかった。


「そうか、そうだな。敵を知る事は、これからの戦いに役立つだろうからな。注意するのは、金棒の『香月(コウヅキ)えり』、打刀の『狩野明(カノアキラ)』、短刀の『津堂燕飛(ツドウエンピ)』、そして直槍の『名鳥順一』。こいつらに出会ったら逃げろ。今の少年では、どんな偶然が重なっても勝てないだろう」


恵梨香さんが逃げろと言うほどのやつらか。


出来れば出会いたくないな。
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