殺戮都市~バベル~
店を出て、また光の壁に沿って歩く。


ヘルメットとライダースーツ……この街に来た時に来ていた服は、PBMに片付ける事が出来るらしく、恵梨香さんはそれを光の渦の中に片付けていた。


そういう点では便利な街かもしれないな、ここは。


「さて、もうすぐ中央部のポーン地帯に入るぞ。そこを突っ切れば、東軍まではまあ……200メートルくらいか」


そうなんだよな、またあのポーンが群がる場所を通らないといけないんだよ。


あまり通りたくない場所だけど、それしか方法がないというなら仕方ない。


「恵梨香さん、今度は置いて行かないでくださいね」


「フッ、愚問だな。少年を認めはしたが、ポーンに殺される程度ならば、塔を目指す事など不可能だ。わかっているのか?塔がどこにあるのかを」


「そ、そりゃあわかってますけど……」


つまり、ポーンに襲われても自分でどうにかしろって事なのね。


恵梨香さんの言葉に不安を感じた俺は、PBMを取り出してその画面を見た。


ソウルは……12個か。


沼沢と戦った時に瞬間回復で3個と、その後に回復の為に1個使ったからな。


少しでも日本刀を強くするなら、ガチャをしておくべきかな。


でも、ソウルの数がな……。


少し悩みながら、俺は画面の上で指をフラフラと泳がせた。
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