殺戮都市~バベル~
賞金首ランキング1位の恵梨香さんがダメだと思ったら……俺では確実に殺される。


いや、この街で最強の部類に入る強さのはずの恵梨香さんが無理なら、誰も勝てないんじゃないか?


「だ、だけど……もしかすると、二人でやれば勝てるかもしれませんよ」


「吹雪がいれば、どうかはわからんが……何にせよ、やってみなければわからない。一撃で力量を見るぞ」


恵梨香さんに促され、PBMをポケットにしまった俺は、日本刀を抜いて光の壁の切れ目へと向かった。


そこから、光の壁を越えればすぐに南軍に入る事が出来る。


距離は……そんなにあるわけじゃない。


日本刀を握った状態だったら、そこまでは多分、2秒掛からずに辿り着く事が出来る。


全力で走れば……化け物の邪魔が入らなければだけど。


「少年、やはりどうやら新種らしいぞ。見てみろ……あいつは『ナイト』、ポーンの上位種のようだな」


そう言って、PBMを俺に見せた恵梨香さん。


画面を見てみると、そこにはあの化け物の姿。


兜に槍と盾をしっかり装備していて、あれと同じものだというのはわかった。


「では行くか……気合いを入れろよ?」
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