殺戮都市~バベル~
こんな時だけど、通常回復の仕組みが理解出来た。


自軍にいる時は自然回復が早くて使う事はないけど、他軍では使う回復。


武器を手にしている時は、この回復は止まる。


日本刀を抜いてから、徐々に死に向かって動き始めたような気がするから。


早く勝負を付けないと……俺が死ぬ。


「はっ。どうやら死にかけてるみたいだな。さっきのも力を振り絞った防御ってとこか?だったらさっさと死ねよ!」


俺の様子を見て、怖くないと判断したのだろう。


一歩後退すると、ナタを振り上げて、激しく斬り掛かったのだ。


その攻撃に反応して、何とか日本刀を頭上に上げて防御する。


ガンガンと、音と振動が発生する度、俺の身体を追い詰めて行く。


大した攻撃じゃないのに……俺は耐え切れなくなって、床に膝を付いた。


「クソ弱いガキが!いきがってんじゃねえぞコラ!このまま大人しく死んでろや!」


調子に乗った弓長が、めったやたらとナタを振り下ろす。


「くっ……お前なんかに……負けてたまるか!」


一か八か、弓長がナタを振り上げたタイミングに合わせて、俺は足に力を込めて、床を蹴った。
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