殺戮都市~バベル~
お姉ちゃんは死んだ。


弓長が言ったその言葉を否定してあげる事が出来ず、俺は亜美を連れてビルの外に出た。


ナイトにやられたダメージはもうない。


不安要素は、腕を失ったままだという事。


弓長と戦ってみてわかったけど、右手と比べて日本刀を扱い辛い。


反応がどうしても遅れてしまうんだよな。


東軍を移動する。


PBMのステルス機能を起動させて、腕の色を青くした俺は、亜美と手を繋いでコンビニへ。


あれから随分時間が経った。


恵梨香さんはまだ7ブロックのコンビニにいるのかな。


「亜美、大丈夫か?」


何が……というわけでもない。


お姉ちゃんが死んでいるという事を弓長に告げられ、落ち込んでいるだろうな。


会話がなくて、気まずかったから尋ねてみた。


「うん」


小さくそう呟くものの、俯いたまま。


ギュッと俺の手を握って、放そうとしない。


立ち直るには、しばらく時間が掛かるよな……。


元気になるまで一緒にいてやるか、亜美の面倒を見てくれる人を探さないと。


そんな事を考えて曲がった交差点。


ドンッと何かに肩が当たり、俺はよろめいた。
< 427 / 1,451 >

この作品をシェア

pagetop