殺戮都市~バベル~
「いたっ!」


「あー、わりぃわりぃ!って、お前大丈夫かよ!?まさか今ので腕がとれた……わけねぇよな」


ぶつかったのは右肩。


少しチャラい雰囲気の男は、俺を見るなり慌てて地面を見て、腕を探した。


「だ、大丈夫です。これは別の怪我なんで。こちらこそ前を見てなくてすみません」


面倒な事は避けようと、必要以上に丁寧に頭を下げて、早くこの場から立ち去ろうとする。


敵軍なんだ、全員が俺を助けてくれた人のように優しいわけじゃない。


弓長くらいだと考えていた方が良い。


「お、おう……なら良いんだけどよ」


あまりに丁寧に頭を下げたからか、男はそれだけしか言わなかった。


面倒に巻き込まれるのはゴメンだからな。


知らない人との接触は避けた方が良い。


そう考えて、コンビニに向かって歩き出した時だった。










「……そう言えばさぁ。お前、どっかで見た事あんだよな」










背後から……そんな声が聞こえて俺は振り返った。


俺は……会った事がないはずだけど、まさか因縁を付けられてる?


南軍でも弁当を取られそうになったし、こういう連中はどこにでもいるのかな。
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