殺戮都市~バベル~
久し振りに味わうビルを飛び回る疾走感。


風が身体を撫でて、嫌な事を吹き飛ばしてくれるようだ。


そんな俺が最初にやって来たのは……新崎さんが殺された、あのビルの前。


もう、ここでは公開処刑が行われていないのか、屋上から垂れるロープは切断されて、かなりの時間が経っているみたいだ。


結局、新崎さんが殺された時と同じだ。


俺は誰も守れちゃいない。


強くなったと思っても、上には上がいて、それが大きな壁となって立ちはだかる。


今回の壁はやたら厚くて高い気がするけど……。


とにかく今はコンビニだ。


腹も減ったし、弁当とバトルチケットを買いに行かなきゃ。


PBMを取り出して、マップを開きコンビニを調べてみる。


ここから南に少し行った所にあるな。


よし、行くか。


ポケットにPBMを押し込んで、コンビニがある方を見た。


そして、隣のビルへと飛んだ時……。












PBMから、誰かの音声が流れたのだ。


何だ?


俺のPBMに通信が入るなんて、初めてじゃないか?


雨が上がったばかりで、戦闘が始まるわけでもないだろうし。


とりあえず隣のビルの屋上に着地して、再びPBMを取り出した。
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