殺戮都市~バベル~
……明らかに罠だな。


今更明美さんがどうして俺に助けを求めるんだ。


自分が何をしたかわかってるだろうに。


助ける義理なんてない。


……と、言いたい所だけど。


気になるのはPBMのフレンドリストにある「小倉奈央」という文字。


他軍にいると暗転する文字が、はっきりと白く光っているのだから。


と、なると……奈央さんは南軍にいる?


「……な、奈央さん?南軍にいるんですか?」


通信機能を使って奈央さんに呼び掛けてみるけど……返事はない。


どういう事だこれは。


明美さんの言う事なんて嘘で、俺をおびき寄せようとしているに違いない。


奈央さんがいるかどうかはわからないけど……。


「あー、もう!どっちにしても行かなきゃわからないのかよ!」


明美さんの言う通りにしなければならないのが腹が立つ!


奈央さんの無事が確認出来ないなら、俺が確認しに行くしかないじゃないか!


でも、まずはコンビニだ。


池田浩太……一度俺が勝っているとは言え、あの時よりももっと強くなっているんだろうから。


準備をしっかりしないと、足元をすくわれるかもしれない。


俺が復活するまでに掛かった期間、俺は強さが停滞していたのだから。
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