殺戮都市~バベル~
何が本当で、何が嘘なのか確かめる。


そんな気持ちでやって来た南軍の中心地。


雨が上がって、人が集まって来たのか、多くの人が行き交っている。


この辺りに明美さんと奈央さんはいるって言っていたけど……どこにいるんだ?


奈央さんがいるなら、PBMのサーチ機能を使えばわかるはずだけど……。


そう思って取り出したPBM。


サーチしてみると、確かに反応がある。


「あのビルか……って、一体何階にいるんだ?」


正面にあった、超高層ビル。


そこに反応はあるものの……何階にいるのかわからない。


こりゃあ、嫌でも通信するしかないよな。


一階一階調べていたら、見つけるまでに何時間掛かるかわからないから。


「えっと……明美さん。中心地に来ましたけど……ビルの何階にいるんですか?」


そう尋ねて、しばらく待っていると、PBMから明美さんの声が。











『……来たの?来たのね?わかった。じゃあ……もう死んで良いよ』











その声が聞こえたと同時に、中心地に集まった人の中に潜んでいたのだろう。


約三分の一の人間が武器を取り出し、俺に向かって走り出したのだ。
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