殺戮都市~バベル~
「そんなわけで作戦を立ててみた。俺がこいつを引き付けるから、なんとしてでも右の前足か左の後ろ足を斬るんだ。切断出来なくても良い、動けなく出来ればこっちの勝ちだ」


「は、ははっ。随分大雑把な作戦ですね……俺次第ってわけか。ポーンはどうします?近くまで来てますけど」


もう、後数秒でここまでやって来るだろう。


時間はないし、このままナイトと戦うか、ポーンを蹴散らしながら東軍まで逃げるかを迫られていたけど……。


「ポーンくらいどうにでも出来るでしょ。雑魚を片付けながら、本命を狙う。OK?」


軽く言ってくれるよな。


いつからポーンが雑魚になったんだろう。


つい先日まで、俺はポーンにも勝つ事が出来なかったのに。


日本刀のレベルが上がって、ポーンにも勝てるようになって、二人がかりとは言え、ナイトと戦っている。


自分ではわかりにくいけど、確実に強くなっているんだな。


「OK!」


そう言って、黒井がナイトの正面に飛び込むと同時に、俺は左側に回り込んだ。


顔を動かし、俺と黒井の動きを確認するナイト。


動いてみて、この作戦の意味が少し理解出来た。


ナイトが黒井の方を向いたら俺が後ろ足を、俺の方を向いたら、黒井が前足をって事だろう。
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