殺戮都市~バベル~
頭部が露出したナイト。


仕留めるにはもう、ここしか攻撃をする場所がない!


不安定なナイトの背中でバランスを取り、日本刀を抜いて駆け上がる。


トントンッと背中を蹴って、俺は日本刀を大きく振りかぶった。


ナイトの頭部の上空。


振り下ろせば……確実に直撃する位置だ!


だが、ナイトも仰け反りながらも槍を構えて、その先端が俺に向けられている。


どちらが速いか……いや、俺がどれだけナイトの裏をかけるかという勝負だ!!


勢い良く振り下ろした日本刀。


それを制止するかのように、槍が俺に突き付けられた!


そう来る事はわかっている。


素早く左手を日本刀から放し、鞘を取り出して、縦に足で踏み付けた。


身体の一部に触れていたら消える事がないのは、恵梨香さんや吹雪さんを見て理解している!


鞘が俺の足で蹴られ、ナイトの目に直撃した。


瞬間、さらに上昇して……ナイトの槍が、俺の足をかすめる。


「うまいっ!!」


思わず黒井も唸る俺の行動。


色んな人達と戦って、俺の戦い方に幅が出て来たように思える。


逆手に構えた日本刀。


落下の勢いをそのままに、切っ先が狙うはナイトの目!
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