殺戮都市~バベル~
「くたばれよっ!化け物!!」
金属で出来ているかと思うほど硬い骨を貫く!
その想いで振り下ろした日本刀。
その先端がナイトの右の眼球に突き刺さり、骨をも砕く感触が手に伝わった。
深々と突き刺さり、頭部を貫通して刃が飛び出したのだ。
予想外の出来事だった。
凄まじく硬いナイトの骨。
だけど頭部の骨は、ポーン達と変わらない硬度のようだ。
だからこそ、不自然に思える兜を被っていたのか。
腕がダラリと落ちて、ゆっくりと倒れて行くナイトの身体。
頭部から日本刀を引き抜いた俺は、地面に倒れる前に、飛び退いて着地した。
「この化け物の骨を砕くか!どれだけ強くなっているんだ、真治君!」
負傷して、全身血塗れになっている黒井が、興奮気味に口を開いた。
「い、いや……頭だけ大して硬くありませんでした。兜で守っているのはその為なんじゃないですかね。他に弱点らしい弱点はないようですから」
ナイトを倒すには、弱点の頭部を狙う他には……この強固な骨を切断出来るほどの攻撃を繰り出すしかないだろう。
今の俺どころか、黒井にだってそれは不可能なのは、今の戦いでわかった。