殺戮都市~バベル~
「そして、準備が出来たら一気に範囲外からデパートに攻め入る。四六時中PBMを確認しているとは思えないからな。何より、真治君が復活した日が今日だとは知らないはずだから、成功率は高くなる」


奇襲……か。


津堂はそれを警戒して、恵梨香さんを吊るしていたんじゃないかな。


どこに下ろす装置があるのかわからないし、救出して逃げるというのは無理そうだ。


「でもですよ?もしも香月えりがいたらどうするんですか?津堂一人ならまだしも……」


あの凄まじい金棒の一撃をまともに受けたら……容赦なく叩き潰される。


潰された時の痛みと、身体がぐちゃぐちゃになる感覚を、今でも思い出す。


「そうだったら、香月は真治君に任せるよ。津堂は俺に殺らせてくれ。あいつだけは……絶対に俺が殺したいんだよ」


黒井の目が……凶悪な程の殺意を放っている。


過去に何があったのかはわからないけど、それほどまでに津堂を憎んでいるのなら……。


俺は、恵梨香さんを助ける事が出来ればそれで良いから。


それにしても、香月えりがいたら俺が……か。


一度、何も出来ずに殺されたから苦手意識は強い。


手も足も出なかったのは、津堂も一緒なんだけどさ。
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