殺戮都市~バベル~
黒井と同じような事を言いながら姿を見せた女性三人。


その姿を見て、俺は足を止めずにはいられなかった。


「ん?何?あんた達、どうしたの?」


さっき話していた女性が、不思議そうに仲の二人に目を向ける。


そして、黒井も驚いたように足を止めたのだ。


一気に張り詰める空気。


そこにいたのは、以前南軍で戦った事のある、美優と真冬……そして、ナイトにやられた時に俺を助けてくれた女の子だった。


「あなたは……思い出した!こいつ、南軍の人間だよ!どうして東軍に!?」


いち早くメリケンサックを取り出したのは美優。


ここにいる事を知られてはならないと言われたばかりなのに、よりによってこいつらに遭遇してしまうとは!


「え!?なんで南軍が!?」


真冬は俺と戦った事を覚えていないのか、戸惑っている様子。


そんな中で……真ん中にいる女の子が、二人を制止するかのように手を上げたのだ。


「待って。この子は知ってる。話をしたいから攻撃はしないで」


「えっ!?ま、まあ……あんだがそう言うなら……」


星4レアの美優と真冬が、素直に言う事を聞いて腕を下ろした。


手下とか、恐怖で支配しているとかいうわけではなさそうだけど。
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