殺戮都市~バベル~
狩野……明。


というと、四強の一人!?


まさか、俺を助けてくれたのが狩野明だったなんて……。


「そう言うお前は黒井風助。何度か戦ったのを覚えてる」


黒井が武器を構えていても、狩野が武器を取り出す様子はない。


「く、黒井さん!この人が俺を助けてくれた人ですよ!武器をしまって!」


「バカを言うなよ。例えそうだとしても、警戒するのは当然だろう?後ろの二人は武器を構えてるんだぜ?」


一触即発のこの状況。


俺達がここにいる事を誰にも知らせない為の方法は二つ。


この三人を殺すか、誰にも言わないように説得するかだけど……美優と真冬とは、俺は一度戦ってるからなあ。


「黒井の言ってる事は正しいよ。私もきっとそうする。だから……戦いたいなら相手をしてあげるけど、どうする?」


武器を取り出していないのに……ゾワッと肌を撫でるかのような殺意が通り過ぎた。


ナイトと一人で戦っていたから、強いのは知っていたけど……俺と同じくらいの歳の女の子が、こんな強烈な殺気を放てるのかよ!


どうするったって……俺にしてみれば狩野は恩人で、出来れば戦いたくはないんだけど。


いつ飛び掛かってもおかしくない状態の黒井が怖かった。
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