殺戮都市~バベル~
何があっても対処出来るように、日本刀を抜いて数歩後退した。


黒井は狩野に意識を集中させていて、もう周りは見えていないようだ。


150センチほどの幅の狭い路地で、どうやって戦うと言うのだろうか。


「さあ、やるか!狩野明!」


そう叫ぶと同時に、黒井が高速で距離を詰める!


ランスの尖端が狩野の腹部に触れて、そこから突き出された!


一瞬で勝負がついたか!?


と、思われたけど……。


狩野はクルリと身体を回転させて、ランスを撫でるように回避する。


それと同時に横に振るった日本刀が、回転の勢いに乗って黒井に迫った!


だけどそこは黒井。


ソードブレイカーで日本刀を受け止めて、グイッと下に押し付けた。


まだ回転が止まらない狩野が、日本刀から手を放し、再び抜いて黒井の首を狙う!


防御が間に合わないと感じたのだろうか。


狩野の腕の内側に飛び込んで、身体を抱くようにして体当たりをして攻撃を回避したのだ。


そのまま地面に倒れ込むか……と思ったけど、狩野はそれすらも読んでいたかのように。


倒れるまでに黒井の腹部に膝蹴りを入れ、地面に倒れると同時に、黒井を上方へと蹴り上げたのだ。
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