殺戮都市~バベル~
ソードブレイカーが、狩野の額に突き刺さった!








と思ったのに。


黒井は狩野の肩を掴んで踏ん張り、その動き止めたのだ。


二人とも、ピクリとも動いていない。


何がどうなったのか……あの体勢から黒井は反撃を受けたのか。


わけがわからないまま、二人が動くのを待っていると……。


「1分経ったか。セクシーな姿に惹かれて、無駄にお喋りしちまったよ」


そう言って、ソードブレイカーから手を放して、黒井は狩野の肩をポンポンと叩いたのだ。


「時間に救われたね。このまま戦っていたら、私はきっと殺されてたわ」


「はっ!冗談きついよ!なんで最後にあんな大振りしたんだ?時間を決めてたからだろ?無制限なら、もっと確実に戦ってただろ」


俺の方に歩きながら、狩野に背中を向けて話す黒井。


やっぱり、南軍最強と言うだけあるな。


そして狩野だよ……。


終始押し気味に戦って、そして最後に見せたあの攻撃。


黒井が言うように、あの大振りがなければ、負けていたのは黒井だったかもしれない。


そう考えると……この狩野という女の子の強さは計り知れない物があると、思わずにはいられなかった。
< 580 / 1,451 >

この作品をシェア

pagetop