殺戮都市～バベル～

「おいおい明ちゃん。戦わないのはわかるとして、津堂を殺すのを協力するってのは、さすがに俺も疑うよ？そこまで津堂が嫌いなのか？」


うん、俺も黒井の意見と同じだ。


同じ軍の中で、色々な事があるにしても、同じ四強だろうに。


「あいつは……津堂は、人の命を弄ぶ外道なの。捕まえた人間のお金を吸い取り、ソウルを使って回復させながら、いたぶって最後には殺す。詳しくは私も知らないけど、そういう噂だから」


……そうだとしたら、ますます恵梨香さんが心配になってしまう。


「なるほどね。嫌なやつを殺したいけど、四強と呼ばれる者同士が表立って戦うわけにはいかない……ってとこかな？だけど、理由としては弱いな。それだけじゃないんじゃないのー？」


立ち止まった狩野の正面に回り込み、ツンッと狩野の鼻をつつく黒井。


その行動に驚いたようで、慌てて手で払い除けて鼻に触れた。



「まあまあ、理由なんてなんでも良いじゃない。協力するって言ってんだしさ、女の子の秘密を暴こうとするもんじゃないよ？」


そんな二人の間に、真冬が割って入った。


なんだ？四強同士が表立って戦うわけにはいかないってのは、納得出来ると思ったんだけど……。


違うの？