殺戮都市～バベル～
「わかりました。でもやりにくいな。前に戦った時は二人とも強かったから」


美優と真冬から少し離れて、日本刀を取り出した俺は、フウッと息を吐いた。


「私達もあの時より随分強くなったんだからね？そう簡単に負けるつもりはないから」


真冬は爪を、美優はメリケンサックを取り出して構えた。


開始の合図はない。


この対峙した状態で相手の出方を伺っている……。


それならと、殺気を放つイメージで、日本刀の先端を向けて睨み付けた。


それを感じ取ったのか、腕を上げて防御姿勢を取った二人。


その瞬間脱力し、トンッと地面を蹴った俺は、二人の視界から外れるように横から回り込み、背後を取ったと同時に日本刀の峰を真冬の首に。


引き抜いた鞘を美優の首に当てた。


「……二人とも、これで死にましたけど」


俺が声を掛けて、ビクッと身体を震わせる美優と真冬。


「えっ！？う、嘘っ！？なんでここに……真治君はまだ動いて……」


「1分どころか、5秒も経ってないのに……これが本当にあの時の男の子なの！？」


二人は諦めたように武器を取り外し、悔しそうに顔をしかめたのだ。
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