殺戮都市~バベル~
どうやら俺を認めてくれたみたいだな。


あの時とは比べ物にならないくらい強くなっているとは言え、二人に認めてもらえるかどうかわからなかったから、良かったかな。


「あー!悔しい!一歩も動けなかったなんて!」


「もしも本気で戦ってたら、きっと死んだ事にも気付かなかったかも。一体何をしたらこんなに強くなるの?」


二人で悔しがっているけど、早く行きたいな。


「あ、あのー……そろそろ行きませんか?いつまでもここにいても、仕方ないですし」


武器をしまい、道を指差して二人に尋ねる。


「この余裕!美優、私達も負けてられないわ」


「そうだね。もっともっと強くならないと」


……戦えって言ったのはそっちなのに。


俺は別に悪くないよな?


不機嫌そうに歩き始めた二人の後に、俺も続いた。


これでやっと、亜美と優の所に行ける。


それにしても10日か……。


俺には、ほんの数時間前の出来事にしか思えないんだけど、二人はしっかり食べてるのかな。


こんな事なら、いらないと言っても金を渡しておくべきだったか。


そんな事を考えながら歩いた道路。


デパートに向かう道が交差した場所で二人と別れて。


俺は亜美と優がいるビルへと走った。
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