殺戮都市~バベル~
ここを出てから、何があったのかを優に話した。


話が良くわからないのか、亜美は話の途中で寝てしまった。


ずっと暗いこの街では、昼と夜という概念がない。


時間はただの目安で、正直、今が何時であろうと、眠くなったら寝れば良いのだ。


「なるほどねぇ。四強ってのは聞いた事があるけど、やっぱりそんなに強いんだ?それなのにもう一回行くの?」


向かい側のソファに亜美を寝かせて、俺の隣で話を聞く優。


「次は負けない。南軍最強の男と、東軍の四強の一人が味方なんだ。何がなんでも恵梨香さんを助けるさ」


戦力としては負けていないはずだ。


問題点があるとすれば……表立って戦えない狩野が、どこまで協力してくれるのか。


基本的には俺と黒井が、津堂と……もしもいるなら、香月とも戦う事になる。


俺が殺されてしまえば……黒井に負担が掛かってしまうから、何としてでも勝たないと。


「……そんなに緊張してたら、勝てる戦いも勝てなくなるよ?もっとリラックスしなきゃ」


優が人差し指で、俺の頬をグリグリと弄る。


見てわかるほどに俺は緊張しているのか?


皆が戻って来るまでにまだ10時間はある。


それまでこんな気持ちでいなければならないのか。
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