殺戮都市～バベル～
心配させちゃダメだな。


次こそは必ず恵梨香さんを助けて帰って来るんだから、安心させないと。


フウッと息を吐き、背もたれにもたれかかった。


でも……優は頬を突くのを止めない！


「いつまでそれやってんの？もう止めてくれない？」


「んー……やだ。10日間も私達をここに残して、戻って来なかった罰だよ」


それを言われると弱い。


だけど……それにしては、随分地味な罰だな。


痛みも苦しさもないけど……ちょっと鬱陶しい。


「ごめんって。でも、その話はもう大丈夫だから。まだ言ってないけど、狩野に頼んで二人を保護してもらうからさ」


そう、当初は、俺をナイトから助けてくれた女の子と男性を探して保護してもらう予定だった。


まさかそれが狩野だとは思えなかったけど。


四強に保護してもらえるのなら、これほど安心な事はないだろ。


「そんな事頼んでないのに……真治がずっと一緒にいてくれたらそれで良いんだよ？」


出来るならそうしてやりたいけど……俺とは所属している軍が違うからな。


ずっといるには、危険が付きまとうと思うし、俺は塔に向かう為に仲間を集めなければならないから。


「そうは言ってもな……」


俺の頬を弄る手を掴んで、優の方に顔を向けた時だった。











優の顔が接近して、唇と唇が重なったのは。
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