殺戮都市~バベル~
暗い部屋の中……何が起こったのかわからない。


気付いたら優とキスをしていて、俺は何もする事が出来ずにいた。


「……はぁっ。やっと会えたと思ったのに、10日間もいなくなっちゃってさ。私を助けてくれて、それからどれだけ真治に会いたかったかわかってるの?」


「い、いや……優?一体何をして……」


いつの間にか腕を俺の首に回して、ソファに押し倒している。


「この街で、身体目当てで寄って来たり、無理矢理犯そうってやつは沢山いるけど……バカみたいに助けてくれて、東軍に帰してくれる男なんて真治が初めてだったんだから」


「だ、だから……?」


俺の上に馬乗りになって、ゆっくりと近付いてくる。


こんな状況は初めての事で、身体が動かない……。


「だから、真治を好きになっちゃったの。もうどこにも行かないで、私とずっと一緒にいてほしいよ。ね?」


気持ちは嬉しいけど……俺は理沙が好きで、それに恵梨香さんを助けに行かなきゃならないから……。


「ご、ごめん……俺、恵梨香さんを助けたいし、好きな人がいるから……」


俺がそう呟くと、優はジッと俺を見詰めて……何も言わずに、しばらくその状態が続いた。
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