殺戮都市~バベル~
池上……池上政晃かよ。


あいつなら、敵とつるんでるやつを見たら敵と判断してもおかしくはないけど……。


皆殺されただと!?


「おい!お前がいながら、奈央を見殺しにしたのか!?あのガキはどうした!奈央を守るんじゃなかったのかよ!!」


雪子に近付き、その胸ぐらを掴んで声を上げる。


「……なに?この手は。確かに守り切れなかったのは事実だけどね、私だって必死に戦ったんだよ。いなかったあんたに言われる筋合いはないね!」


それを言われると……辛い。


俺があの時死ななくて、奈央をずっと守り続けてたら、こんな事にならなかったかもしれないんだからな。


「それでお前は、こんなところで何をしている。仲間と合流しないのか?」


雪子の服から手を放し、視線を逸らして尋ねる。


「なかなかそう上手く行かないんだよね。吹雪はどこ行ったかわかんないし、里奈ちゃんと三葉ちゃんも復活はしてるだろうけど、サーチ範囲外だしさ。多分、奈央ちゃんは南軍に戻ってる」


「だから、探せば良いだろ?こんな穴ぐらに篭ってないで」


なぜ、総合ランキング上位の人間が、ここで燻っているのかが、俺にはさっぱりわからなかった。
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