殺戮都市~バベル~
交差する想い
『戦闘が終了しました』
そのアナウンスが流れたのは、戦闘が開始されてから一時間が経過した時だった。
準備時間が短かったから、戦闘時間も短かった。
とりあえず雪子さんが仲間達に呼び掛けて、一箇所に集まり、これからどうするかじっくりと話し合うようだ。
その中に……南軍の俺や、北軍の恵梨香さんと吹雪さんがいるのはなんだかおかしな感じだけど。
近くにあった居酒屋に皆で集まり、沼沢が目を覚ますのを待って話し合いが始められた。
「まあ、ここにいる皆は事情がわかってるだろうけど、非常にまずい事になってんね。レベルが半分になって、総合力では完全に南軍に負けてる。まともに戦えるのが私達だけだとすると……今回みたいに前線で踏ん張らなきゃ、西軍の人間がいなくなっちゃうよ」
座敷に集まった俺達の前で、立って話をしている雪子さん。
誰もが、自分達が置かれた状況に困惑した様子で話を聞いていた。
今までは、南軍の同レアリティの敵が来たとしても互角以上に戦えていただろうけど、今はそうじゃない。
キングが破壊された事で、一気に捕食される側になってしまったのだから。
この先が不安だという表情を見せていた。