殺戮都市~バベル~
「これが達也が作り上げたシステムか……私がいた時よりも徹底的に下まで行き届いているようだな。厄介だぞ」


こちらは三人……相手は北軍全員。


こんな状況なのに、神谷は本当に俺達の味方をしてくれるのか。


「状況が変わりましたね。一旦神谷さんのアジトに戻って、作戦を練り直しますか?」


北軍の人間がルークに反応しないのであれば、この作戦は意味がない。


俺はそう思っていたけど……。


「何言ってんだ。やろうと思った時がチャンスなんだよ。不利だろうが何だろうが、道を切り拓くしかないだろ。松田さえ倒せば、あいつらにだってもう少しは自由を与えてやれる。逃げるのはここまでにしようや!」


ウォーハンマーを取り出して、まるで自分に言い聞かせるように吠えた神谷。


そうだ。


神谷は、あの子供達を助ける為に松田と戦おうとしているんだ。


今までなかったチャンスが、ここに来て生まれたという想いが強いかもしれないな。


「よし、では、邪魔する者は全員殺す。一気に達也の所まで駆け抜ける!良いな!?」


「は、はいっ!」


と、俺も日本刀を取り出してそう返事をした時だった。












「おー、いたいた。いや、参ったね。まーた新種の化け物が現れたとか、洒落になんないっしょ」











俺達の背後から、そんな気の抜けたような声が聞こえたのは。
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