眠りにつくその日まで
改札を抜けると、階段などはなくすぐ小さなバスロータリーがあって、タクシーが2,3台止まっている。
駅の入口のすぐ脇の自販機の前にいる、スマホをいじっている同じ制服の女子高生に声をかける。
「おはよーみゅー!」
私がみゅーと呼んだその人は、まるで今までも一緒にいたかのような雰囲気で顔をあげると
「あ、おはようハル。」
と高くも低くもないテンションで言った。
ストレートの黒髪、パッツン前髪。
少し手の甲まで隠れるカーディガンに短いスカート。
自然なアイメイクの美人な彼女は高宮美羽(たかみやみう)。
高校に入ってからの私の親友。
私は彼女を"みゅー"、彼女は私を"ハル"と呼んでいる。