眠りにつくその日まで
「みゅーの風邪治らないね。」


「しつこいよねぇ。ね、今日もアメ持ってる?」



風邪よりも飴の方が美羽には大事なようだ。


私の心配をよそに美羽はあげた飴を嬉しそうに口に放り込む。






ザーザーと降り続く雨に、気持ちが落ち込んでいるのは私だけなんだろうか。



すっかり花が終わったツツジの生垣を見て、私の気持ちはさらにしぼむようだった。






学校でも、ティッティーをはじめとして先生方、クラスメイトも大半が咳をしていた。




でもみんな、元気そうではある。



咳が出ているだけだからか欠席者もいない。




コンコン、ゲホゲホという中で、日常は続いていた。
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