眠りにつくその日まで

色々な検索結果が表示される。


どれを見ようかと思ったところへ、チョコレート柄のマスクをつけた美羽がやってきた。



(みんながマスクをするようになって、オシャレな柄のマスクが流行り出している。)




「ハル、飴まだあるー?」



私はスマホを伏せて、サブバッグから飴の袋を取り出した。



ミントミルク味、ハチミツレモン味、フルーツ味が色々入ってるやつ、龍角散。
あと、のど飴じゃないけどキャラメルのやつ。



店を開くように、その色々な飴の袋を机に並べた。


わーい、と美羽は迷わずキャラメル味のものをとって、その小さな包みをすぐに開けると口へと運んだ。



「のど飴なめなよー。」



「いいの、どうせ効かないんだから、美味しい方がいいじゃん?」




「龍角散はいいよー?」



「ハルは体にいいものが好きだよねぇ。」



馬鹿にされてるのか褒められているのか…。



私は、咳は出ていないけど龍角散のど飴を口に入れる。




美羽が毎日欲しがるので色々な飴を持ってきているんだけど、

すっかり飴おばさんとして馴染んでしまったのか

他の女子や男子も机へとやってくる。



みんなが喜んでくれるのは嬉しいけど、"自分で買えよ!"と時々思うのはここだけの話。
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