眠りにつくその日まで
次の日も雨だった。
しとしとと、霧吹きを吹きかけてくるように降る雨は鬱陶しさもあったけれど、こんな気持ちの私にはちょうど良かった。
こんな日に、晴天だったら私は空を恨むだろう。
どんよりとした空と傘も意味のないような雨は、私を落ち着けてくれていた。
改札を抜けた自動販売機の脇を見て、一瞬だけ立ち止まる。
けれど私はすぐに歩き出した。
いや、歩き出さなければ一生そこにいてしまいそうだったから。
フラッシュバックする美雨との思い出の数々に、胸は締め付けられて、涙は勝手に流れていた。
傘をさせる日で、本当に良かったと思いながら私は胸の痛みを押さえつけて学校へと歩いた。