眠りにつくその日まで
そっか、と返事をした瞬間に、視界の隅で星が流れていった。
「あ!!!今の見た?」
「見た見た!ね、やっぱりあっという間でしょでしょ?」
興奮気味に、言った通りでしょと夏子がはしゃぐ。
「ほんとだねぇ。でも私、お願いしたいな。」
「何てお願いするの?」
「うーん、長生きできますように、かな。」
改めて聞かれてみると、なんとなくバツが悪い。
「何お姉ちゃん、まだあの言い伝え信じてるの?お父さんもお母さんもピンピンしてるし大丈夫でしょ。」
呆れたように夏子が言う。
私は苦笑いしながら星を眺め続けた。