お隣さんは意地悪センセイ!




化学教室に入ると中は女子たちで何やら騒いでいた。


不審に思いながら周りを見ると……



「……え、?」



黒板には乱雑な字で 《淫乱教師、遊び人》

と、書かれていた。



遊び人って、あたしと武田しか知らないはずじゃ……



「何これ……あんたら何やってんの」


武田は固まるあたしを支えてクラスの女子たちに言う。



「おー正美、結芽〜ちょうどよかった!二人も書きなよ!櫻木、懲らしめてやんのよ!」



「あたしらとは遊んでくれないくせに他の女とは遊びまくりだってさー?」



クラスの女子の中心、沙奈江と伶奈が笑いながら黒板に落書きをする。


他の女の子たちは何も逆らえないって感じで突っ立っている。

幸い、男子たちはまだ来ていないけど……


どうしよ…もしかしてあたしがした話が他に聞こえてたのかもしれない…


どうしよ…こんなの全然違うのに



「あんたらね!やっていいことと悪いことが…!」



武田が沙奈江と伶奈に突っかかろうとしたとき

あたしは急いで黒板消しで落書きを消した。



「は?結芽何やってんの?せっかく書いたのにまた書かせる気?」


真っ黒に塗った目があたしを睨みつける。



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