お隣さんは意地悪センセイ!




沙奈江と伶奈は青ざめた顔で化学室を出て行く。



「うわーなんだよこれ、遊び人だって、矢野お前のことじゃねぇの?」


長瀬はまだ微かに残っていた落書きを見て笑う。


「バカ言え、そう言う光輝なんじゃねぇの?」



「俺は一人の女一途だバーカ」



長瀬との矢野のお陰で明るい雰囲気になる。


もしかして、分かっててワザと明るく…?


長瀬、櫻木先生のことあんまり好きじゃなかったはず…




「長瀬くん、みんな連れて教室に戻って自習にしといてもらえる?」


櫻木先生はそう言うと、長瀬はあたしを見てフッと優しく笑った。


「あいよ〜よっしゃ、お前ら着いてこーい!」



なんて、長瀬たちみんなは化学室から出て行く。


「じゃ…あたしも…」



さりげなく後を追おうとしたとき、優しい力で腕を引き寄せられた。




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