お隣さんは意地悪センセイ!




「手、怪我してる。高梨さんは保健室」



有無を言わせない櫻木先生はあたしの腕を優しく引いて保健室まで連れて行く。


養護教諭の先生は不在らしく保健室は誰もいなかった。



櫻木先生はあたしを丸椅子に座らせると
慣れた手つきで手当を始める。



そんな櫻木先生に申し訳なくて泣きそうになる。



「せんせ…ごめんなさ、い。あたしのせいで事が大きくなっちゃって…ごめんなさい」



櫻木先生は何も言わずせっせと消毒をしていく。



「あた、あたしが武田に櫻木先生は遊び人だって言っちゃったんです……それがきっと他の子に知れ渡ったんだと、思います…本当にすみませ……」



「何泣いてんの。全く、高梨のせいじゃないよ」



櫻木先生は呆れながらもあたしの頬に手を伸ばし涙を優しく拭ってくれる。



「言わせたいやつには言わせたらいいから。そのうち元に戻る。だから、危ないことすんなよ」



櫻木先生はポンっと一回だけあたしの頭に手を置いて救急箱をしまった。





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