お隣さんは意地悪センセイ!
「で、でも!あたしは櫻木先生がヒドイこと言われてるの嫌なんです!!」
「……まあ、そのうち元に戻るから。気にしないでいいよ」
そのうち元に戻るって……
前の学校でもこんな感じだったのかな……
先生があたしみたいな女子生徒を嫌う理由が今ならわかるかもしれない。
容姿だけでキャーキャー言って、本性を見れば、嫌な面を見れば、もしくは勝手な噂だけで幻滅する。離れてく。
沙奈江だって伶奈だって、ずっと櫻木先生でキャーキャー言ってたのに。
あたしも…そのうちの一人……
でもあたしは、先生のこと信じてる。
本当は良い先生だってこと…
「あたしやっぱり櫻木先生が遊び人だって信じられません」
櫻木先生の目を見て言うとその目は少し驚いたように開く。
「へぇ、何でそう思う?」
挑発するような笑みであたしを見据える。
「それは……櫻木先生は一途だからです」
「……は?」
間の抜けた櫻木先生の声。
驚くのも無理はない。
何言ってんだクソガキとでも言いたそうだ。