お隣さんは意地悪センセイ!
「櫻木、せんせ……」
後ろ手で震えながらマイクのスイッチを切る。
櫻木先生が入ってきたと同時に、放送委員の子は急いで出て行ってしまった。
「全く、キミは思いもよらないことするよね」
ため息をついて櫻木先生はフッと笑った。
「で、出過ぎた真似だとはわかってますっ!でもあたしはどうしても誤解を解きたくて…!」
「……誤解を解いてくれなんて頼んだ?本当、余計なことしなくていいから」
櫻木先生の冷たい言葉に胸が貫かれる気分になる。
ああ、ダメだ。
また怒らせちゃった……
ギュッと目を瞑ると頭にふわっと何か温かいものがのった。
「こんなことして、高梨が巻き込まれたらどうすんの。元も子もないでしょ」
温かいものの正体は櫻木先生の優しい手のひら。
「もう、こんなことすんなよ。後で片付けんの俺なんだからな」
櫻木先生は子供をあやすように、よしよし とあたしの頭を撫でた。