お隣さんは意地悪センセイ!
「……はぁ、櫻木先生お昼も囲まれてたな…」
あたしはタイマーで24秒を計りながら
ボーッと男バスの練習を眺めていた。
櫻木先生に化学教えて欲しいって生徒がお昼から多かった。
きっと放課後の今も大変なんだろうな……
ビ────っとタイマーからけたたましい音がする。
「おい、高梨っ!リセット押してねぇだろ!ちゃんと見とけよ!バカっ!」
コートからはそんな長瀬の怒った声がする。
「ご、ごめ…」
ダメだ、しっかりしなきゃ。
あたしはマネージャーなんだから…!
そう、気合を入れ直したとき
「危ねぇ────!」
「え…?」
長瀬の大きな声が聞こえたと思ったら
バスケットボールがあたしを目がけて飛んできた。
えっ!?何で!?
咄嗟のことで何も出来ずにあたしはギュッと目を閉じると
バシッ────という音があたしの目の前で鳴った。