お隣さんは意地悪センセイ!




「でも、あれだったね…別に食堂でイチャイチャする必要なかったね…鈴香先生いないのに…」



変に目立って誤解されたっていうか……

元々、あたしが作戦で付き合おうって言ったけど長瀬は嫌じゃなかったのかな?



「いつ鈴香見てるかわかんねぇし。それに噂かなんかで伝わるだろ」



な、なるほどね〜

鈴香先生のことになるとあたしとイチャイチャしようが手段は選ばないってことね。



「……で、でもさ……腕……」



「……あ?腕?」



食堂からずっと掴まれたままの腕。

ここまでくればもう離してもいいんじゃ……



あたしの心の内を察したのか長瀬はパッとあたしの腕を離した……離したんだけど……


代わりにあたしの手をギュッと握ったんだ。



「……え?」



「……や、いつ見られるかわかんねぇだろ。だから……でも、お前が嫌だったら離す」



どこか照れたような表情で言う長瀬。

何だよ…さっきまで男らしくてカッコよかったのに。

なんか、可愛い……なんて思ってしまったあたしは負けだ。




「嫌なわけ…ない……じゃん」



あたしもギュッと握り返し、でも恥ずかしくて俯いた。



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