お隣さんは意地悪センセイ!
「いや、知らないけど…いつもうるさく付きまとってたヤツが急にいなくなったら寂しいって思うんじゃない?」
そ、そんなもんかね…
「なーんからしくないね。いつもの結芽なら都合よく捉えて暴走して妄想して想いのままに突っ走るんじゃないの?」
武田よ…あたしのことそんな風に見てたのね…
まぁ、事実だし、仕方あるまいが…
「もう、何か…わからなくて…」
「……だと思った。あんたは結局、櫻木先生のことそんなに好きじゃなかったってことでしょ。そんな軽い気持ちならさっさと捨てれば?」
武田はそう吐き捨てあたしの前から姿を消した。
何も、言い返せなかった。
何でこうなるんだろう…
その日の放課後、バスケ部の練習も行かず帰ろうと廊下を歩いていたとき、保健室から何やら声がしてあたしは足を止めた。
「私、嬉しいのよ?コウがちゃんと好きな子見つけて幸せそうで」
「……なんだよそれ、俺の気持ち何も知らないで……」
保健室から聞こえてくる声は、鈴香先生と長瀬だ。
あたしはダメだとわかっていても、その足が動くことはなかった。