お隣さんは意地悪センセイ!
「俺が好きなのはずっと────」
「ごめんね、あたしもコウが好きだよ。でも、コウの気持ちには応えられない」
ハッキリとした口調で言う鈴香先生にあたしの胸まで強く痛んだ。
長瀬はまだ何も伝えてないのに……!
その想いを伝えることさえも許されないの?
いくらなんでも、それって……
「私にとってコウは…ずっと弟みたいなものだから。それ以上も、それ以下もないの。でもね、結芽ちゃんと付き合ってるって聞いたときは正直ちょっと妬けちゃったな〜」
「……」
「だってほら、小さいときから私の周り引っ付いてたコウがだよ?好きな子出来たんだ…なんて思ったら悲しくなっちゃって…私がいなかったら何も出来ないような可愛い子だったのに…って……」
「……は、ふざけんな……俺はお前のオモチャじゃねぇし。鈴香は昔っから酷ぇ、女だったよな。期待させるだけ期待させて、弟だ?可愛いだ?結芽に嫉妬しただ?散々振り回した挙句、俺の気持ちは聞こうともしねぇで、最低な女だな」
保健室からはガシャン──と何かが落ちたような大きな音がした。
「コウ、違うの!私は……」
「お前を好きだった今まで、マジで無駄だったわ」
いきなり保健室のドアが乱暴に開き、長瀬が出てきて、あたしと目が合った。