お隣さんは意地悪センセイ!




「す、スーツお、お似合いです…っ、か、髪型もいつもより整ってて……」



いつもよりって何だ、いつもよりって。


高梨は下を向いたまま、ボケーっとしていた。


また、変な妄想でもしてるんだろう。

懲りないやつだ。



「わかってると思うが、今日は先生と呼ぶな。バレたら厄介だ、親戚の設定にしてある」



俺の声にハッとした高梨は嬉しそうに目を輝かせた。


「じゃあ、櫻木先生のことアキちゃんって呼んでいいですかっ!?」



「………窓からほり投げられたいか」


誰だ、アキちゃんなんてあだ名をつけたヤツ。

よりにもよって、生徒にその名を呼ばれるなんてほどの屈辱はない。



「あたしのことは結芽って呼んでくれて構いませんから!」


誰が呼ぶか。



「わ〜楽しみだね!アキちゃん!」



しばくぞ、アホが。



「調子にのるな。式場で目立つことをしたらその場に捨てていくからな」



「は〜い、アキちゃん」


口元緩みすぎた。
ヘラヘラしやがって。



拷問以外の何物でもない。




< 180 / 206 >

この作品をシェア

pagetop