お隣さんは意地悪センセイ!
*
苦痛の運転が続くこと1時間。
やっとの思いで結婚式場に着いた。
「わ…綺麗…」
高梨は車を飛び出て、結婚式場に目を奪われている様子。
「何をボケっとしている。置いていくぞ」
「あっ、待ってください〜アキちゃん」
高梨はとびきりの笑顔で走ってくる。
…犬か、こいつは。
従順な賢い犬だと、こんなに苦労はしないがな。
高梨を連れて控え室に行くと、懐かしい顔ぶれが揃っていた。
「おー!彰人じゃねぇか!久しぶりだな〜!」
「きゃー!彰人!?」
控え室には大学時代の友人が多くいて、何やら談話でもしていたようだ。
「アキ〜久しぶりじゃないの〜!何であたしの連絡無視すんのよ〜!ずっと会いたかったんだから!」
控え室に入ると早々、一人の女が甘ったるい声を出して俺の首に手を回し抱きついてきた。