お隣さんは意地悪センセイ!
「こんなとこでくっつくな、離れろ」
「大人っぽくなって、益々色気出てカッコ良いのにそういうとこアキ変わってないよね〜でも、そんなとこ大好き〜」
無理矢理引き剥がそうとすると、女は俺の頬に軽く口づけをした。
「やだ〜佳恵だけズルい〜あたしも抱きしめたい〜」
「相変わらず、彰人だけモテやがって〜!俺にもわけろっ!」
松木先生の結婚式に出席することに関しては何も苦はなかったが、こういう無駄な絡みが拷問でしかない。
「お前ら、良い加減に……」
そろそろ、爆発しそうなときだった。
グイッと俺のスーツの裾を引っ張る小さな力に振り向くと、高梨が恨めしそうな顔で睨んできた。
「せんっ、……あ、アキ…ちゃ」
高梨は今にも泣き出しそうな顔で俺を見つめ、スーツの裾をギュッと握り離そうとしない。
アホが、スーツに皺がいくだろ。
仕方なしにその手を包み込む。
「その女の子…もしかして、彰人の彼女か!?」
一連の流れを見ていた、友人の一人が俺と高梨を交互に見て驚くように言った。