お隣さんは意地悪センセイ!
披露宴が始まる直前、高梨は俺のスーツを引っ張り列席者たちの列から逸れるように会場の外に出た。
「あ、あのっ、先生!長瀬がまだ来てないんです…っ!」
「……は?長瀬、くん?」
何でここに長瀬が出てくる?
へぇ、やっぱり彼と付き合ってたわけ。
そう思うと、何故か無性に……
「長瀬、鈴香先生と幼馴染でずっと昔から好きだったんです。面と向かってお祝いするのはキツイことだけど…長瀬には告白しないで終わってほしくないんです!」
……ああ、なるほどね。
松木先生の結婚式に出席したいって言ってた時背中を押したい人がいるって言ってたな。
何だ、長瀬くんと付き合ってたわけじゃないの。
って、何だか安心している自分がいて心底驚く。
「今から長瀬を連れてこようと思うんですけど…先生車出してもらえますか?」
本当、他人のことには一生懸命で…と言うかお節介?
本当、変な子だよ。
「その必要はないんじゃない?多分、ちゃんと来てるから」