お隣さんは意地悪センセイ!
長々と話し終えると、長瀬は俯き拳を握りしめた。
「……ってんだよ。分かってんだよ、口では。でも……」
……俺にこんな話させやがって、これ以上苛々させんな。
「男がウジウジ言ってんな。お前の気持ちが本当なら、花嫁奪い去るぐらいしてみせろ!」
「はっ、何ドラマみてぇなこと言ってんだよ!んなこと出来るわけ……」
ああ、出来るわけねぇよな。
でも、このままでいいわけじゃないだろ?
「もう、俺から言うことはねぇから。後は長瀬くんが自分で決断したら?」
呆然と立ち尽くした長瀬を尻目に俺はその場を立ち去った。
披露宴の席に戻ると、ケーキ入刀が終わったのか高梨の手元にはケーキがあった。
「……あれ?長瀬は…?」
「……さあ」
断じて、もう一生あんなことしない。
俺が熱く語ろうってか?
はっ、性に合わねぇよ。