お隣さんは意地悪センセイ!
「………。」
何言ってんだ、こいつは。
沈黙の中、高梨はしまった!という顔をする。
遅ぇよ、バカ。
「あの、あのですねっ、こ、これはですねっ!?」
ブッ、慌てすぎ……
「あのっ、け、ケーキ食べました!?お、美味しかったな〜〜」
話変えるのヘタクソか。
「……本当、見てて飽きねぇわ」
「へ!?今何か言いました!?」
高梨は目を大きく開け見つめてくる。
フッ、変な顔。
「いや、別に」
そうこうしているうちに、両親への手紙を読み終わっていたらしい。
一番感動するシーンを見逃した高梨は唖然としていて、またその姿が可笑しくて思わず笑ってしまった。
何て言うか、楽しい性格だな。
新郎新婦退場に大きな拍手がおくられる。
結局、あのバカは来ないのか…
松木先生の笑顔が一瞬曇ったときだった。
バンッ───と、大きな音を立て会場のドアが豪快に開いた。
そこに立っていたのは……
「………コウ……」
涙声の松木先生は震える手を口に当てた。