お隣さんは意地悪センセイ!









「どわぁあああああああ、長瀬ぇえええええ!!!!感動したよぉおおおおお!!」



披露宴が一通り終わり、二次会に移りましょう!と列席者は移動を始める中、高梨は長瀬くんを見つけるとすぐ駆け出した。




「げっ、お前ガチで来てたんだな……つーか、鼻水つけんな!」



そんな二人を後ろから見ていると、ふいに長瀬くんと目が合う。



「高梨さん、先車のとこ戻っててもらっていい?すぐ向かうから」



「え、先生は二次会行かなくていいんですか!?私なら電車で帰るんで……」



電車でって、ここからの帰り道わかんの?

絶対迷子になるパターンだろ。
目に浮かぶわ。



「いいよ、そんな気遣わなくて。アイツらに付き合ったってしんどいだけだし。」



どうせまた、ベタベタ絡まれんのがオチだ。

それなら変なお隣さんと普通に帰ったほうが随分マシだ。


何とか納得した高梨は俺と長瀬くんを交互に見つめその場を去って行った。



「へぇ、アイツ連れてきたのセンセイなわけ?どういう風の吹きまわし?」



まさか、隣だから仕方なく、なんて言えるわけもなく。



「松木先生に頼まれたんだよ。」



本当、平和な休日を返して欲しいもんだ。



< 198 / 206 >

この作品をシェア

pagetop