お隣さんは意地悪センセイ!
HRが終わり、ダッシュで教室を出ると
廊下で女子たちに囲まれた櫻木先生を見つけた。
おのれ〜みんな早いな行動が!
先生〜♡なんて、みんなまとわりついて一向に近づけない。
遠くでその様子を見ているとあっという間に櫻木先生はどこかに消えてしまっていた。
あ〜なんてこった〜!
見失ってしまったああ!
「おい、バカ。カバン忘れてんぞ」
「せ、先生!?…ッチ、長瀬かよ」
低い声に一瞬ドキッとして振り返ったのに…
長瀬かよ……
「ッチとはなんだ!ッチとは!舌打ちすんな!せっかくカバン持ってきてやったんだろ。礼の一つねぇのかよ」
長瀬は気だるそうに言ってあたしに向かってカバンを放り投げた。
「ありがと!って言いたいところなんだけどさ、櫻木先生どこいったか見てない?」
はぁ?といった顔をした長瀬は仕方なしにポツリと呟く。