お隣さんは意地悪センセイ!
端正な顔に不釣り合いの黒い笑み。
あたしは声を出すのも忘れてしまった。
「ムカつくんだよね〜、あんたバカそうだし勝手に妄想劇して勝手に幻滅して。何、教師相手に夢見ちゃってんの?」
え…ナニコレ
あたしは今、幻想を見ているのでしょうか。
「言っとくけど、幻想でも妄想でも夢でもないから。これ、現実」
そう、櫻木先生はフッと笑う。
「今だってこの記憶抹消して明日から普通に過ごそう、なんて考えてるわけでしょ。いいよ、そんなことしなくたって。これが本当の俺だって言っちゃっていいよ」
「そ、それは…」
開き直り具合がちょうど恐ろしい。
怖い帰りたい、今すぐ消え去りたい
櫻木先生に会う前に戻りたい
何が禁断の恋物語だ
恥ずかしくてしんでしまいたい
ナゼにこうなった?
あたしのせいか!?