お隣さんは意地悪センセイ!



櫻木先生本人も相当驚いているのか固まっている。



「……は?何でキミがいるの」



そしてかなり不機嫌そう。



「何でって言われましても…ここあたしの」



櫻木先生はハッとして表札を凝視する。


高梨という名前を見た瞬間、マジかよ、と気だるそうに呟いた。



「さ、櫻木先生こそ!教師って仕事あるくせに何セールスマンなんてやってるんですか!!あたしそんな洗剤セット渡されても朝陽新聞とりませんから!!」



洗剤セットじゃなくてディズニーランドのチケットとかなら考えるけどさ〜
プッ、洗剤セットって今どきないよ〜



「セールスマンねぇ〜、そうだったらよかったねぇ〜」



そう、櫻木先生は全く心のこもっていない笑顔であたしを見据えた。



「マジでありえねぇ…」



櫻木先生がそう呟いたとき、パタパタと走ってくる音がして



「結芽ちゃーん!肉じゃが持ってきたわよ〜!」


声のする方を見ると、大家さんのさゆりさんが手を振ってこちらに走ってきた。




< 34 / 206 >

この作品をシェア

pagetop