お隣さんは意地悪センセイ!
櫻木先生本人も相当驚いているのか固まっている。
「……は?何でキミがいるの」
そしてかなり不機嫌そう。
「何でって言われましても…ここあたしの」
櫻木先生はハッとして表札を凝視する。
高梨という名前を見た瞬間、マジかよ、と気だるそうに呟いた。
「さ、櫻木先生こそ!教師って仕事あるくせに何セールスマンなんてやってるんですか!!あたしそんな洗剤セット渡されても朝陽新聞とりませんから!!」
洗剤セットじゃなくてディズニーランドのチケットとかなら考えるけどさ〜
プッ、洗剤セットって今どきないよ〜
「セールスマンねぇ〜、そうだったらよかったねぇ〜」
そう、櫻木先生は全く心のこもっていない笑顔であたしを見据えた。
「マジでありえねぇ…」
櫻木先生がそう呟いたとき、パタパタと走ってくる音がして
「結芽ちゃーん!肉じゃが持ってきたわよ〜!」
声のする方を見ると、大家さんのさゆりさんが手を振ってこちらに走ってきた。